「ゆき、静かにしてよ。
目立っちゃうじゃんかー。」
のん気な顔で他人事のように見ているだけの加奈子。
もうほとんど眠る態勢に入っている。
私も眠いのに…!
せっかくの昼寝ができる貴重な時間なのに…。
「岡野さんの言う通りだよ、ゆきちゃん。これ以上目立ってどーすんのさ。」
「アンタのせいでしょ!」
「えー、人のせいにするのー??」
「本当のことだし!!」
実際、コイツの周りには
いつもどこにいるときも女子が付いている。
今だって教室のドアの後ろから
じっとこっちを見つめる殺気立った目。
…怖いし。
恐ろしいような視線を避けようとして、ついでに目を閉じたところでチャイムが鳴った。
ミーハーな女子たちも
そそくさとそれぞれの教室に帰っていく。


