なんて言っても 誰も来ないのは当たり前なんだけど。 とにかくどうにかして逃げ出さないと。 「あの、そのほんとに…」 「平田先生…?」 その時後ろから声をかけられて 私は平田と一緒に振り返った。 同じクラスの夏目 尭晴(ナツメ アキハル)くん。 あまり話したことはないけど 2年間同じクラスだから覚えてる。 彼はちょうど玄関を背に 太陽の光を受けて、立っていた。