春の匂いのするあぜ道を、何年かぶりに2人で歩いた。




「俺、美咲ちゃんと同じ高校に行けるようにひとつ下げたんだぞ!」




ちょっぴり大人になった吉太郎の背中に抱きついた。



「約束通り、俺大きくなっただろ?」




昔と変わらない笑顔で微笑んでくれた吉太郎。


その手をそっと握った。



「また、ほっぺにごほうびのキスしてくれる?吉太郎、覚えてる?昔、空手の大会で…」




最後まで話させてよ、吉太郎。



ほっぺに…って言ったのに、


吉太郎は私の唇を奪った。






昔から吉太郎は、積極的なんだから…