でも、その日から私は変わった。



毎日、毎日勉強した。



窓を開けて、隣の吉太郎の部屋の灯りを確認して、同じ時間だけ勉強した。


吉太郎は夜12時になると、必ず電気を消した。


だから、私も12時まで勉強をした。




こんなに勉強に集中したことはなかった。


ただ、吉太郎と同じ高校へ行きたいとただそれだけを思って、頑張った。



吉太郎に褒めてもらいたい。

びっくりさせたかった。



昔みたいに言って欲しかった。


『美咲ちゃん、よく頑張ったね!』って。





私が、空手で小学校代表に選ばれた時のように


『ごほうびに僕のキスあげる』ってほっぺにキスして欲しかったんだ。