pm.20:20

時計を買ってあげた子に、バス停まで見送られて、久々に乗るバス。

ウトウトしながら、着いた白い家。

「ただいま~。」

何故か恥ずかしくて、少し小さな声で言ってみた。

返事は帰って来ず、靴を脱ぎ、ダイニングへのドアを開ける。

「おっ、久しぶり~。」

鼻先に焼けた肉の香りが入ってきて、生意気な口を聞く妹が、目に入ってきた。

少し辺りを見渡すと、つい先程まで車の中で話していた親父と、キッチンから出てきた母が、おかえり。と言う。

久々に、帰ってきた実家。

何年も暮らしてきた家なのに、変な感じがした。

何年か前まで、家が狭い。とか、金持ちの家に生まれたかった。とか愚痴を言ってた僕だが、独り暮らしをして、初めてと言っていい程に、親の偉大さが分かった。

「よし、食べるか。」

親父が口に出し、妹が安そうな肉や野菜を、鉄板で焼き始める。

今日は、焼肉らしい。

「もっと、痩せて帰ってくるかと思った。」

と告げてから、母から、質問の雨が降ってきた。

親父に、ある程度のことを話していたから、正直、また話すのは面倒臭かった。

妹が焼肉のタレに、ニンニクを入れた。

pm.20:47

母がビールは?と聞いてきたが、車の運転をする予定があるから。と、断った。

僕は、肉だけしか食べたくないのだが、よそ見をしているうちに、何故か、人参やら玉葱、茄子、南瓜など、様々な野菜が皿に盛られている。

仕方無く、それらを口へ運ぶ。

時折り、油が跳ねたりして、あつっ!!なんて言ったりする。