『次は…―――』 あ…、奏君が降りる所だ。 前に座っている彼は、自分が降りる所だというのに一向に動こうとしない。 「あの…っ、降りないの…?」 あまり喋るのは得意じゃないけど、勇気を出して話しかけてみる。 「あー、いいよ。もうちょっと話していたいから」 “話していたい” 平然と答える彼の姿が今は眩しくて仕方がなかった。 期待、しちゃうじゃん――