車が走っている中で、莉子は私にいろいろな話をしてくれたが全然言葉が頭の中に入ってこなかった。
ただ、これだけはきちんと聞こえた。
私に電話をかけてきたのは、私とお姉ちゃんのじつの母親の佐藤美奈。
一応携帯に入っていただけだったからすっかり忘れていた。
キュ、という音がして車が止まるとそこはもう病院だった。
莉子に引っ張られるように病院に入り、お姉ちゃんがいると言われたところに向かうとそこにはお父さんとお母さんがいた。
「お姉ちゃんは・・・?」
小さかった私のつぶやきは両親の耳に届いたようで2人ともこちらに向いた。
「今・・・手術中よ」
「助かるの?お姉ちゃん、助かるの…?」
そう言って泣き崩れた私を莉子が支えてくれた。

