「もしもし……?」 『おう、元気だったか?』 「うん。元気だよ」 別れたなんて思えないくらい、彼からの電話はいつも通りで、一年も経っていたはずなのに、話をしたのがつい最近のような。 そんな錯覚までした。 『今年も、飾ったんだ』 「もしかして、笹飾?」 『うん。今年は兄貴の子どもも一緒になって作ったから、かなり豪勢だよ。写メ送ったから見てみて』 「うん、ありがとう……」 私は電話を切ってメールを確認した。