ミュンヘンの北にダッホーエルシュトラーセ
(ダッホー街道)というのがあって、
ダッホーて何?なにがあるの?ときくと。

とにかく行ってみろとユースの住人がいうので
オサムとオオツキは行ってみることにした。

ああ、近づくとすぐに分かった。ユダヤ人収容所。
ヒムラーが最初に作った思想汎用の収容所。後年
大量虐殺ホロコーストになるのだが、ポーランドのアウシュビッツ

と並ぶ規模でずいぶん大きい。大規模なパネル展示
と大部分の施設が当時のまま残されている。悲惨だ。
入り口に次のように書いてあった。

『歴史的反省の上に立ち過ちは二度と繰り返しませんから』

確か広島の原爆の碑にも同じ言葉が記されていたと思う。
あやまち、歴史的究極の過ち。20世紀は戦争と殺戮の
世紀だった。人類の幸福を追求すべき科学技術の進歩が

大量無差別殺戮兵器を作り出して、実際に使用された。
中世の合戦とか日清戦争まではまだ軍人と軍人との戦いだった。
日露戦争ごろから急に死者が増え始め、第一次世界大戦で

さらに死者の数は倍増。第二次世界大戦では空爆の激化とともに
桁違いでしかも軍人以外の民間の死者が無差別に激増。
原爆、二度までも一瞬にして10数万人の命を奪った兵器。

悪魔の産物。一体何のための科学だったのか?かたや、
ヒットラーの登場による狂気のユダヤ人大量虐殺。システム化
された大量殺人。つい60年前のことだ。

百万とも二百万とも言われている。現実にこの出来事はあった。
何故そうなったのだ?流れは暴走し始めるともう止まらない。
歴史が繰り返し示唆しているのに不可能なのだろうか?

この世界から絶対悪の戦争をなくすなんて事は?

ダッホーの村はとても商売をするようなところではなかった。