バザールで大量のパズルリングを買う。
3日間通い詰めてかおなじみになった店だ。
値段は3分の1まで下がった。

大量に買うからとさらに負けさせる。
この日は2階に上げられた。そこは薄暗く、
人間が一人入るくらいの大きな陶器のかめが

たくさん置いてある。中央に古いテーブルが
ひとつあるだけで、奥までびっしりとかめが
置いてある。そのひとつのふたを開けてみた。

組み立てパズルリングがびっしりと詰まっている。
同型同サイズのものだ。こちら側は太い型のもの。
向こう側は女性用の極細型だ。奥にあるのは純度

の高い高級品。手前にあるのは純度の低いシルバー
だ。メッキではないので表面がはがれるということ
はないが、日がたつと変色するが、まあいいか。

4枚組み、6枚組みとあって、一ヶ一ヶやすりで
削ってうまい具合に作り上げるのだ。極細の針金で
ばらけないように縛ってある。

一度ばらけると大変だ。3日間通って組み立て方を
なんども教わったが、なかなかだ。女性用には20
枚組の細いおしゃれなものもある。

我々の狙いどころは純度の低い黄色銀。店の在庫の
大半もこれだ。じっくりと身構えて交渉に入る。

数千個買うということにしたら価格は10分の1に
なった。米ドル即金が効いたのだ。一個10円!
どうみても1000円の品だ。サイズを決めて、

大きなかめから選りすぐる。暗い奥からも持ってくる。
どんどんポケットに入れながらテーブルの上に良い
のを並べていく。1000個といっても小さなダンボール

一個分もないが、重さはずしりと重い。よしオッケーだ。
お金を払って、サンキューべりマッチ。グッドバイ。
足早に店を去る。ヤッケのポケット、上も下もとても重い。

恐らく1000個以上はあるだろう。これって窃盗?
いやいやここは何でもありのイスタンブールであった。