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伊吹航大は、すらすらと喋りだす。
「すみません突然食事に誘ったりして」
「ううん、それはいいんだけど」
今井真樹は、商品部内、いや、本社内でも超優良物件の伊吹に食事に誘われたことに、心底驚いていた。この人、私のこと好きだったんだ……全然気づかなかった。
誘い文句は、「仕事のことで相談したいことがあるので」だったが、仕事での係わり合いは全くない。
今まで同じ部にいたこともなかったし、話したこともない。挨拶もあったかどうか怪しいくらいなのに、突然、昨日の帰り際に呼び止められて食事の約束をさせられたのである。
そして、ホテルのディナー。これはどう見ても、告白のタイミングだと余裕で笑みながらも、
「……仕事って?」
と、とりあえず、仕事の話をもちかけてみた。
「実は仕事の話、とは少し違うんです」
ほらね、やっぱり。
「まあ、そうよね……。全然仕事では関わり合いないしね」
大人びて笑ってみせた。目の前のフランスフルコースは、さすが和菓子屋の次男坊、チョイスも間違えていない。
「あの、今井さん、よく香月さんと一緒に仕事してますよね?」
……、まさか、そっち?
「えっ、ええ……」
「もしよかったら、今度僕、新しく引越しをしたので、そこで今井さんと香月さんと、あと、清水さんとで食事会でもしたいんですけど、ダメでしょぅか?」
「えっ……、何でそのメンバー?」
伊吹航大は、すらすらと喋りだす。
「すみません突然食事に誘ったりして」
「ううん、それはいいんだけど」
今井真樹は、商品部内、いや、本社内でも超優良物件の伊吹に食事に誘われたことに、心底驚いていた。この人、私のこと好きだったんだ……全然気づかなかった。
誘い文句は、「仕事のことで相談したいことがあるので」だったが、仕事での係わり合いは全くない。
今まで同じ部にいたこともなかったし、話したこともない。挨拶もあったかどうか怪しいくらいなのに、突然、昨日の帰り際に呼び止められて食事の約束をさせられたのである。
そして、ホテルのディナー。これはどう見ても、告白のタイミングだと余裕で笑みながらも、
「……仕事って?」
と、とりあえず、仕事の話をもちかけてみた。
「実は仕事の話、とは少し違うんです」
ほらね、やっぱり。
「まあ、そうよね……。全然仕事では関わり合いないしね」
大人びて笑ってみせた。目の前のフランスフルコースは、さすが和菓子屋の次男坊、チョイスも間違えていない。
「あの、今井さん、よく香月さんと一緒に仕事してますよね?」
……、まさか、そっち?
「えっ、ええ……」
「もしよかったら、今度僕、新しく引越しをしたので、そこで今井さんと香月さんと、あと、清水さんとで食事会でもしたいんですけど、ダメでしょぅか?」
「えっ……、何でそのメンバー?」

