「お、香月さんだ。タイミングいい。謝ってくるのかもね。出るよ」
グッドタイミングとはこのことだ。
永井は先に宣誓すると、すぐに受話ボタンを押した。
「はい、お疲れ様です」
『お疲れ様です。あの、ごめんなさい。昨日のこと、なんですけど……』
「ああ、途中で帰ったそうですね。すみません、僕も香月さんが帰る前に、実は用ができて帰ったんですよ」
『え、そうだったんですか……。じゃあ、涼屋さん、一人で待っていたんですか!?』
「みたいです。今僕も聞きました」
『ああ、ごめんなさい!! 本当に、あの、伝えておいてください。謝ってましたって』
「いえ、まあ、それはいいんですけど。気になったんですけど、あの男の人は大丈夫だったんですか? 変な人じゃなかったらいいんですけど」
『ああ(笑)。全然変な人とかじゃないんですけどね……全然、友達でもない、あの人の仕事関係の付き合いなんです。だから、あんまり関係ない人なんですけど、昨日は突然あんな風に邪魔してきて、許せなかったんです。それで、怒ったんですけど……なんか、結局帰っちゃって、すみませんでした。本当に』
「いえ、僕たちは別にいいんですけど……」
「ちょっとすみません」
電話に集中しすぎて、認識するのが遅れた。
ドラマによくある。
目の前に突然現れた昨日と同じ男は、まるでドラマのように、黒い手帳を縦に開き、顔写真と金色のマークを見せてきた。
え、……警察?
グッドタイミングとはこのことだ。
永井は先に宣誓すると、すぐに受話ボタンを押した。
「はい、お疲れ様です」
『お疲れ様です。あの、ごめんなさい。昨日のこと、なんですけど……』
「ああ、途中で帰ったそうですね。すみません、僕も香月さんが帰る前に、実は用ができて帰ったんですよ」
『え、そうだったんですか……。じゃあ、涼屋さん、一人で待っていたんですか!?』
「みたいです。今僕も聞きました」
『ああ、ごめんなさい!! 本当に、あの、伝えておいてください。謝ってましたって』
「いえ、まあ、それはいいんですけど。気になったんですけど、あの男の人は大丈夫だったんですか? 変な人じゃなかったらいいんですけど」
『ああ(笑)。全然変な人とかじゃないんですけどね……全然、友達でもない、あの人の仕事関係の付き合いなんです。だから、あんまり関係ない人なんですけど、昨日は突然あんな風に邪魔してきて、許せなかったんです。それで、怒ったんですけど……なんか、結局帰っちゃって、すみませんでした。本当に』
「いえ、僕たちは別にいいんですけど……」
「ちょっとすみません」
電話に集中しすぎて、認識するのが遅れた。
ドラマによくある。
目の前に突然現れた昨日と同じ男は、まるでドラマのように、黒い手帳を縦に開き、顔写真と金色のマークを見せてきた。
え、……警察?

