「最近、佐々木さんと仲いいですよね」
おい、永井……。
もちろん、その声は本人には届かない。
「うん、給湯室で一緒になるからね。けど、あんまり喋らないよ。結構年離れてるし、共通の話題もないし」
「まあ、そうですよね」
頼む、永井……彼女を困らせないでくれ!
「そういえば、真藤さんとはルームシェアで一緒に住んでるんですよね」
永井は考えてあった会話をようやく一つ出した。これが、初めて涼屋が出した話題であった。
「あ、うん、そう。すごいんだよー、あの人。料理もセレブな物いっぱい作ってくれるの。普通のカレーとかじゃないんだよ、ビーフストロガノフとか、作れるんだよ!!」
「えー、あの人、料理するんですか」
「うん、みたい」
「僕実は、真藤さんと、香月さんが結婚するんじゃないかって噂を聞いたことあるんですけど」
な、何を言い出すんだ永井!! そんなの昨日全然言ってなかったじゃないか!!
「そっ……」
涼屋は慌てて違う話題を出そうとしたが、香月ははっきりと断言した。
「ないよ。私、多分結婚しないもん」
淡々と言った。言ってのけた、の方が近いかもしれない。
「え、どうしてですか?」
「結婚願望ないの」
おい、永井……。
もちろん、その声は本人には届かない。
「うん、給湯室で一緒になるからね。けど、あんまり喋らないよ。結構年離れてるし、共通の話題もないし」
「まあ、そうですよね」
頼む、永井……彼女を困らせないでくれ!
「そういえば、真藤さんとはルームシェアで一緒に住んでるんですよね」
永井は考えてあった会話をようやく一つ出した。これが、初めて涼屋が出した話題であった。
「あ、うん、そう。すごいんだよー、あの人。料理もセレブな物いっぱい作ってくれるの。普通のカレーとかじゃないんだよ、ビーフストロガノフとか、作れるんだよ!!」
「えー、あの人、料理するんですか」
「うん、みたい」
「僕実は、真藤さんと、香月さんが結婚するんじゃないかって噂を聞いたことあるんですけど」
な、何を言い出すんだ永井!! そんなの昨日全然言ってなかったじゃないか!!
「そっ……」
涼屋は慌てて違う話題を出そうとしたが、香月ははっきりと断言した。
「ないよ。私、多分結婚しないもん」
淡々と言った。言ってのけた、の方が近いかもしれない。
「え、どうしてですか?」
「結婚願望ないの」

