見事に、的中され、考え込んでしまう。
「あーまあ、分かるねえ、素直な感じだし、第一キレイだし」
「……」
 そ、そこまで言われると、つい、嫉妬してしまう。
「彼氏いるのかなあ。どうなんだろ」
「……さあ」
 ようやく一言出すことができた。
「宮下さんとの噂は聞いたことあるけどね」
 良いタイミングで、ラーメンが2つ、カウンターの上に乗った。
「え」
 思いもしない発言に、固まってしまう。
「もう結構前だよ、宮下さんが結婚する前。だから……本社に来る前? いや、来てからかな……、とにかく、その辺り。けど、今は別れてるんだろうね、結婚してるから」
「ああ……そうか……」
 あの、宮下部長が、香月さん、を?
「……食べたら?」
「何を?」
 か、彼女を!?
「ラーメン」
 永井はくすりと笑った。
「……あ、……ああ……」
 とにかく返事をして、箸を割る。
「……今は知らないけど、前はリムジンで会社に乗り付けて来たって聞いたことあるよ。女の子が長い黒い車って言ってたからそうだと思う。全スモーク張り」
「……車好きかな……」
 そんなことあるはずないのにとりあえず言う。
「……さあ……、どうだろ。けど、普通じゃないよね。そういう車持ってる友達がいるってことだとしても、普通じゃない」
リムジン……。