「どうしちゃったんですか!? こんなところに、風間さんも、お墓参り? 後ろにあの人います??」
覗きこんでも、スモークが完璧に張られていて、中が全く見えない。
「とりあえず、乗って下さい」
何、すごく機嫌悪そうなんですけど。
香月は風間が開けてくれたドアの中に入り込んだ。やっぱり巽がいる。
「……あれ、どうしたの?」
「お前こそ、何をしている」
巽の表情は厳しい。
「……、阿佐子のお墓参りに来たの。リュウさんと」
「何故このタイミングに?」
「何でって……話したら長いんだけどね、……なんでそんな怒ってるの?」
「……お前から話せ」
巽はこちらを見ずに、タバコに火をつけた。
「何―!? ……まあいいんだけどさ。で、最近全然連絡取れてなかったじゃん? でさ、もう大変だったの、ってゆーか、最悪。
あの、紺野さんがやっぱり刑事でね、なんか誘拐事件の情報探してるんだけど、あなたが関係してるとか言うの。もうなんなのって感じ!?」
「で?」
「え……うーん、そんだけ。で、しつこいから、一応風間さんに電話して逃れたの。あれで良かったのかなって悩みながら。良かったんだよね」
「……まあ、どっちでもいいがな」
巽は遠くを見ながら、息を吐いた。
「えー、そんなもんなの?」
香月は溜め息を吐いて、巽のスーツの袖口から覗いたロレックスを見つめた。仕事ができる証だ。
「それで、紺野からリュウが日本に来ていることを知った」
「え、うん、そう……。え、何? でもその情報あたってたよ?」
巽の表情は崩れない。
何をどういえば納得してくれるのか悩んでいると、巽の携帯電話が鳴った。彼は2コールですぐに出る。電話番並みの早さに、意外さを感じながらも、巽が話しかけてくれる次の言葉を待った。
「斉藤隆義(さいとうたかよし)と面識は?」
「へ? ……だれ、それ」
さいとう、さいとう……そんな知り合いはいない。となれば、客?
覗きこんでも、スモークが完璧に張られていて、中が全く見えない。
「とりあえず、乗って下さい」
何、すごく機嫌悪そうなんですけど。
香月は風間が開けてくれたドアの中に入り込んだ。やっぱり巽がいる。
「……あれ、どうしたの?」
「お前こそ、何をしている」
巽の表情は厳しい。
「……、阿佐子のお墓参りに来たの。リュウさんと」
「何故このタイミングに?」
「何でって……話したら長いんだけどね、……なんでそんな怒ってるの?」
「……お前から話せ」
巽はこちらを見ずに、タバコに火をつけた。
「何―!? ……まあいいんだけどさ。で、最近全然連絡取れてなかったじゃん? でさ、もう大変だったの、ってゆーか、最悪。
あの、紺野さんがやっぱり刑事でね、なんか誘拐事件の情報探してるんだけど、あなたが関係してるとか言うの。もうなんなのって感じ!?」
「で?」
「え……うーん、そんだけ。で、しつこいから、一応風間さんに電話して逃れたの。あれで良かったのかなって悩みながら。良かったんだよね」
「……まあ、どっちでもいいがな」
巽は遠くを見ながら、息を吐いた。
「えー、そんなもんなの?」
香月は溜め息を吐いて、巽のスーツの袖口から覗いたロレックスを見つめた。仕事ができる証だ。
「それで、紺野からリュウが日本に来ていることを知った」
「え、うん、そう……。え、何? でもその情報あたってたよ?」
巽の表情は崩れない。
何をどういえば納得してくれるのか悩んでいると、巽の携帯電話が鳴った。彼は2コールですぐに出る。電話番並みの早さに、意外さを感じながらも、巽が話しかけてくれる次の言葉を待った。
「斉藤隆義(さいとうたかよし)と面識は?」
「へ? ……だれ、それ」
さいとう、さいとう……そんな知り合いはいない。となれば、客?

