機械仕掛けの心の行方

「またこんなに傷を……」


何故笑っているのかは不明だが、優先すべきは傷の手当てだ。

私は彼の手を引き、家の中へと連れて行く。

また、昨日のようなことがあったのだろうか。

……私は、また何もできないのだろうか。


「なぐってやった」


傷の手当を受けながら、息子がそんなことを呟いた。


「はぁ」


唐突な言葉に、私の反応が遅れる。

昨日の相手を、ということだろうか。