機械仕掛けの心の行方

「どうして、とは」


「謝らないでよ」


口調を強めて、彼が続ける。


「悪くないんだから、謝らないでよ」


そう言ったきり、彼は部屋へと走って行ってしまった。



……私が、悪くない。



とは言っても、原因は私にあるのだ。

私が機械でさえなければ、人間であったなら、彼がこのような傷を負うことはなかった。

悔やんでも仕方のないことだ、とは分かる。

しかし、それでも。

ただただ悔しいと感じる心が、胸の中にあった。

このような感情、仕事には不要のはずなのに。



何故。