機械仕掛けの心の行方

「申し訳ありません……」


私は、そう言ってただ彼を抱きしめることしかできなかった。

あの人なら。

マスターなら、こんな時にどんな言葉を投げかけるだろう。

不甲斐ない。

こんな時に適切な行動を思いつかない自分が、不甲斐ない。


「どうして、謝るの?」


耳のすぐ傍で、彼が言った。