機械仕掛けの心の行方

息子が学校に入学してしばらく経った頃だ。

私はちょうど掃除を終え、洗濯物を取り込みにかかるところだった。

どこからか、かすかに泣き声が聞こえた。

声の方を見やると、そこには傷だらけでうつむいている息子がいた。


「どうされたのですか」


慌てて駆け寄り、傷の具合を見ながら声をかける。

どれも軽い擦り傷のようだが、転んだとしてもこんなに何箇所も擦り剥かないだろう。


「とりあえず中へ。傷の手当を」


私は彼の手を引いて家に入り、救急箱を取り出してくる。

少々しみるでしょうが、と先に伝えてから消毒液を吹きかける。

加減を間違えただろうか、彼が痛そうな顔をしてみせる。