「ご、ごめん。ごめんね。でもね・・・。」

「でも、何？」

「あたしは優ちゃんに心配かけたくなかったの。だってあたしが行くっていったら、優ちゃん絶対ついてくるでしょ？」

「そ、それはっ・・・。」

「ほんとはね、１人でくるつもりだった。でも、翔人だけが何も言わないで気づいてくれた。」

「・・・。」

「だから、一緒に来てもらおうと思ったの。だから、ごめん。」

あたしは、ペコリと

優ちゃんに頭を下げた。

恐る恐る、顔を上げると・・・

そこには、おっきい瞳に涙をいっぱいためた

優ちゃんの姿があった。




「こっちこそ、ごめんね。ほんとに、ほんとに寂しかったのっ・・・。」

きゅっとあたしに抱きついて

えぐえぐ泣いている、優ちゃん。

いつもは堂々としているのに

このときは、本当の妹みたいに思えた。

「他の男子共も、すっごく寂しがってたよっ・・・。」

優ちゃんはそういいながら

ドアのほうを指差していた。