「な、何?どうしたの、奏。」

「あ、ごめん。今翔人君が、りーちゃんのこと、“璃裡”って呼んだじゃない?」

「うん。」

「それが、なんか恋人同士っぽいなぁーって。」

「あぁ、そーゆうこと。」

奏は、恋愛なんかする暇もなく

ここまできたもんね。



「うちにいる男子は、皆あたしのこと璃裡って呼ぶよ?」

「えーっ///何それーっ。」

「奏のこともきっと、奏って呼ぶと思うけど?」

「・・・だろうなぁ。」

翔人も横から同意している。

だってはじめから、璃裡って呼ばれてたし。



「しょ、翔人君っ。」

「・・・ん?」

「お、お願いがあるんですが・・・。」

いきなりそう切り出した奏を不思議そうな目で見つめる

翔人。


「あ、あたしのこと、奏って呼んでみてくれませんか・・・?」

顔を真っ赤にして

そんなことを言い出す。