空港にて。

「わー・・・。おっきー・・。」

「・・ぷっ。はしゃぎすぎ。」

「だってー。いいじゃん別に。」

「・・ま、不安そうにされるよりはましかな。」

「何それー。」


空港では、電子板みたいなボードに

何番がいつ出るかが

書いてあった。


「あ、あれじゃない?」

「・・・だな。ほら、こっち。」

ぎゅっと握った手を、引いて歩く翔人。

やっぱり、1人でこなくて正解かも・・・

あたし1人だったら、ここに時点でもう迷子だよ・・・


「翔人、ありがとね。」

「・・・何がだよ。」

「あたしさ、やっぱり翔人と来てよかったって思ってるから。」

「・・・たりめーだろ。」

にやり、と笑いながら

また、前を向いて歩き出す。



「・・・ほら、あった。」

「まだきてないねぇ。」

「・・時間よりはえーんだから、当たり前だろ。」

「ここの列に並ぶの?」

「・・おう。」


この時

ちょっと、2人だけの旅行みたいで楽しいなぁなんて

思ったのは

ナイショである。