「わぁ・・・。真っ暗・・・。」

「・・そりゃあまだ、太陽昇ってねーもん。」

「そ、そうなんだけどね。」

いつも歩いている道なのに

真っ暗だと景色が違って見えた。

少しだけ不安だけど、翔人がついてるなら

大丈夫だって思えた。



「飛行機、何時だっけ?」

「まだ時間あるから、へーきだよ。」

近くの空港から、アメリカまでの直行便が出てるから

それに乗って、アメリカの空港まで行って。

そっから、タクシー拾って

病院まで行く予定。


こう見えても、英語くらいなら

しゃべれるからね。

多分・・・。忘れてないと、いいんだけど。


「・・何、不安そうな顔してんの?」

「し、してないってば。」

「・・してる。俺がついてんだから、へーきだって。」

「わ、わかってるもん・・。」

翔人は、面白そうにあたしの顔を眺めて

その後、ぎゅっと手を握ってくれた。