それから、数時間後。

「いってらっしゃい、2人共。」

「うん、いってくる。和弥君たちに上手く言っといてね?」

「わかってるわよ。どれくらいで帰ってくるの?」

「んー。1週間くらいかなぁ。予定ではだけどね。」

「わかったわ。翔人君、この子をよろしくね。」

お母さんは、翔人に

あたしのお財布を渡した。

「ちょ、それあたしのっ。」

「あなたが持っていたら、すぐ詐欺にあいそうだから。」

「もー・・・。」

そりゃあ、翔人ならあわないだろうけどさぁ・・・。



「じゃ、またね。」

「はいはい。気をつけてね。」

お母さんはあたし達に、笑顔で手を振ってくれた。

まぁ、アメリカなんて

ちょっと前まで住んでたしね。


ちなみに、奏はまだ入院中らしい。

でも、もう数日で退院できるんだとか。