「・・それで?お前1人で行くつもりなの?」

「う、うん。もうお母さんには話したから、今日の明け方にでて、飛行機で。」

「・・・チケットは?」

「とってもらってる。」

「・・・璃裡、これ、見てみ。」

あたしがチケットを見せたのと同時に

翔人は、ポケットから

小さな封筒みたいなのを取り出した。

「え!?」

「・・・お前がどこに行こうと、俺はついていく。お前1人じゃ心配で、夜も眠れそうにない。」

「翔人・・・。」


だから、何でも1人でしようとするな。

そう言って、あたしの頭を軽く小突く。



「・・お前の母さん、すげー心配そうにしてたぞ。」

「・・え?」

「・・俺が行くって言わなきゃ、陰からついていくつもりだったらしい。」

「え!?」

お父さん、また出張で、日本にいないから

家にはお母さんと和弥君たちしかいないのに・・・

あたしが無茶しようとしたから

お母さんまで困らせちゃったんだ・・・。


「・・・とりあえず、あいつらに気づかれないように準備すっぞ。」

「うん。ありがとね、翔人。」

あたしはにこっと翔人に笑いかけて

2人で歩き出した。