体育館にて。

体育館の中は

真っ黒のカーテンがかかっていて

ステージだけに、明かりがともっている状態。

周りは真っ暗。

そんな景色だけでも、あたしの不安を煽り立てた。

「・・・璃裡?」

「な、何っ・・・?」

「・・・はぁ。大丈夫だって、言ってんだろ?」

「う、んっ・・・。わかってるよっ・・・。」

「・・わかってないだろ。」

楽譜を持っているあたしの手に

翔人は、手を添えて

後ろから、ぎゅっと抱きしめてくれる。

翔人の体温が、あったかくて

少しだけ鼓動が鳴り止んだ。