「ってかさ。翔人。」

「・・・あ?」

「うおっ、こえーなぁ。」

呼びかけた和弥君が、思わず後ろにのけぞっていた。

「なんでピアノなんか、弾けんの?」

「・・・昔やってたんだよ。」

「ふーん。」

自分からきいたにもかかわらず

あまり深くは、追求しないらしい。

変なの。



「り、璃裡とさ、お前って仲いいじゃん?」

「・・・おう。」

「ど、どーしたら、そんな自然に仲良くできるんだ?」

和弥君は、ほんとに真剣な顔で

翔人に相談していた。

え?

ピアノの話から、そこにいくの?

おかしくない?



「・・・別に。ふつーにしてればいいんじゃねーの?」

「そ、そうゆうもんかぁ?」

「・・・そのうちなれるだろ。」

・・・れ、恋愛相談?

あたし、近くにいていいの?

「・・・璃裡。」

「は、はひっ。」

「・・・ここにいていいから。逃げてんじゃねーよ。」

「ご、ごめんっ。ならいーけど。」

おいでおいで、と手招きされて

翔人の隣に戻る。


いやぁ・・・

あたしの聞いちゃだめな

話かと思って。