「璃裡、天才?」

「なわけないじゃんー。」

ぽわぽわとした笑顔を浮かべて

苺ちゃんに返す。

「あたしが天才だったら、皆天才になっちゃう。」

「いや、ならない、ならない。」

「そう?」

今日も相変わらず、わけわかんない苺ちゃん。

「もー。ほんとに璃理は、なんでもできるんだからぁ・・・。」

「そんなことないってばぁ。」

「だって、翔人と付き合っちゃうし、成績はいいし。モデルはやってるし、可愛いし・・・。」

「そ、そんなことないって!」

過大評価しすぎ!

「・・・璃理、楽譜。」

「ん?翔人も見たかったの?」

「・・・別に。」

そんなこといいながらも

翔人は、あたしの手から楽譜を奪い取った。



「・・・ふーん。」

「?どうしたの?」

「・・・お前がどうしても弾けなくなたら、俺でも弾けるくらいだから。ダメだったら言えよ。」

「え?翔人って、ピアノ弾けたの?」

「・・・おう。」

・・・あら意外。