「・・り、璃裡。起きろって。」

「ん・・?翔人・・?」

「・・学校。忘れてんのか?」

「わわっ!忘れてた!」

いつも寝坊していたからだろう。

朝が来ても、全然気づかないのだ。

「・・ほら、早く着替えろ。皆行ったぞ。」

「優ちゃんは?」

「優もこっから通うつもりらしい。もう出たぞ。」

「やばっ。」

あたしは急いで服に手を通した。

久しぶりな制服の感覚に

ちょっとだけ嬉しさを覚えつつ。




10分後。

「行ってきまーす!」

「あら?まだ行ってなかったの?いってらっしゃい。」

あたしは、翔人と家から走り出す。

「・・璃裡、乗れ。」

「へっ?きゃっ!」

翔人は、あたしをひょいっと背負って

そのまま走り出す。

「ちょっ・・。重いでしょっ・・?」

「・・お前くらいへーき。ちゃんと掴まってろよ。」

「う、うんっ。」

翔人はびっくりするくらい足が速くて

すぐに学校の近くまで着いた。

あたしだって、どちかといえば速いほうなのになぁ・・。