「待てって!」

後ろから、和弥に腕をつかまれる。

あたしは振り向かなかった。

・・・振り向けなかったんだ。

涙を見られるのが、嫌だったから。



「・・振るなら、はやくしてよ。」

「・・・ばーか。」

和弥はそう呟いて、

その瞬間、あたしの身体は

和弥の腕の中だった。