優side

「お、お待たせ・・・。」

あたしは走ってきたせいで、ちょっとだけ息が上がってた。

でも、それ以上に心臓の音は大きくて

あたしの身体の中に響いていた。

「・・・何?走ってきたの?」

「だ、ダメだった?」

「いーや。嬉しい。」

和弥は落ち着いてて、あたしとは大違い。

む・・・。璃裡姉の嘘つき。

「・・・答え、だけどさ。」

「・・うん。」

「俺は、元々璃裡が好きだった。」

「っ・・・。」

あたしは、それをきいて思った。

“あぁ、振られるのかな”

って。

だから、もう走れないって思ってたはずの身体が

急に動き出して。


気づいたら、和弥の前から

走り去ろうとしてた。