帰国子女の逆ハーライフ♪

「・・・ごめん。」

「な、なんで謝るの・・?」

まだ何も言ってないのに。

「・・・涙の痕、残ってる。・・泣いたんだろ?」

「っ・・・。あ、あのさ。今日見た・・・。きゃっ・・!」

そこまで言って。

いきなり抱きしめられて驚いた。

「・・きいてくれ。全部誤解だから。」

翔人は、あたしの耳元で囁きはじめた。

「・・今日俺と出かけてたのは、妹だ。俺の双子の妹。」

「い、妹・・さん・・・?」

「・・おう。・・俺が好きなのは、ずっとお前だけだ。璃裡だけだから。」

“信じてくれ”

翔人の声が、あたしの頭の中に響く。

いつもクールな翔人の声が

その時はすごく余裕なくきこえて。

そんなに必死になってくれるのかなって

すごく嬉しかった。

「お前の家に妹いるから、会わせてやる。」

「・・・うん。」

あたしは弱弱しく頷いた。

緊張が解けたのか、安心したのかで

身体からすべての力が抜け落ちた。

力が入らなくなって、手のひらを見たら

震えていた。

「・・・不安にさせてごめん。」

「もうっ・・離れないでよっ・・・?」

「・・・わかってる。」

あたしの身体をそっと抱き上げて

あたしの家へ歩いた。

翔人はその間ずっと、あたしの頭を撫でていてくれた。