帰国子女の逆ハーライフ♪

それから、どれくらい歩いただろう。

ふと、腕についていた時計を見ると

あれから10分くらいは経っていたことに気づいた。

「着いたぞ。」

「ここ・・・。」

顔を上げると

目の前には青い海が広がっていた。

キラキラまぶしいくらいの砂浜が、すごく綺麗に見えた。

「・・・海・・?」

「・・・おう。ちっと、気分が楽になるだろ?」

「・・うん。」

ゆっくり揺れる波を見てると

荒れた心が、少しだけ和らいだ。

「・・・翔人と、何があったんだ?」

「み、見ちゃったのっ・・。街で、他の女の子と仲よさそうに歩いてるとこっ・・。」

「友達かも、しんねーだろ?」

不思議な瞳で、あたしの顔を覗き込んでくる稜弥。

その顔は、いつになく真剣だった。

「・・・かもしれない。」

「でも嫌・・だったんだろ?」

「うん・・。」

本当はこんな気持ち気づきたくなかった。

今だって、思い出すだけで嫉妬でいっぱいになる自分は

なんて嫉妬深くて、欲張りなんだろう。