「上原って暗いよなあ…四月から笑ってるとこ一回も見たことねぇわ」 「しっ!聞こえるよ?」 「うわ、やべっ」 …聞こえてますけどね。 たいして没頭していたわけでもない読書を中断して、窓の向こうの空を見上げる。 ああやっぱり、変わらない。 灰色。 ______あれから、三年の月日が流れていた。