「清水ーっ!!」


僕は体全体で清水を抱き締めた。


それとほぼ同時ぐらいにガシャンッ……

と言う音が聞こえて、僕の背中に硝子が

つきささった。



「………え?」


清水は驚いたように僕の顔を見た。


「だ…大丈夫か?清水…。」


「えっ…えぇ。」


清水は小さく頷いてホッと胸を撫で下ろした。


しかし、ヤバイな…。

清水を助けたのはいいけどまともに

硝子の破片が僕の背中を刺した。


僕は清水から離れて、みんなに笑いかけ、


「ちょっと硝子払ってくる。」


と理科室を出ていこうとした。


……が、しかし、ハッと何かに

気づいた様な顔をした清水は



「ちょっと待って!私も行く。」


と言って僕の後をついてきた。


やっぱりあれだけ女の子に

囲まれてたら回りの迷惑になるよな…。


僕は理科室から離れた

廊下で静かに硝子を払った。


すると清水は僕の背中に触れて、

少し下を向いた。


「何?」


僕が思わず清水の方を向くと


「背中…見せて?」


と清水は僕に真剣な顔を向けた。


「……っ!!何で…?」


「いいから見せて!」


清水はそう言って無理矢理、

僕の背中のカッターシャツを捲りあげた。


「………やっぱりね。」


「………っ!」


「背中、傷だらけ…。」


ばっ……ばれた!!


「ははっ…こんなの大したことないって…。」


僕はとっさに清水から離れて、背中を隠した。