そして、瞬が思いっきり力一杯自転車を

こいでくれたお陰で早く駅に着いた。


瞬が自転車を停めて、

びしょ濡れになった私の背中を押してくれた。


「残り1分!!今なら間に合う!!急げ真凛!」


「ありがとう瞬!」


私は必死に走った。


息吹くんが居なくなる…。

何も言わずに家に帰るなんて…


「ズルいよっ!!」


大声で叫んだ。


すると、電車に乗ろうとした息吹くんが

こっちを見た。



「し…清水!?」


私は息吹くんの腕を引っ張った。

何でか涙が溢れた。


「やっぱ、君の家なんか行くんじゃなかった…」


「え…なん…て…?」


――パァーン…ガタンゴトン…


電車が動き始めたせいでよく聞こえなかった。


「こんなびしょびしょになって…
君を泣かせる様な奴をどうして止めたの?」


「私は……」


今なら怖くないの!!

伝えよう……私の本当の気持ち。