「おはよ…。」


僕は朝からショボーンとして教室に入る。


「何!元気ないじゃない!?」


しらけた顔をしている僕に

背中をポンポンと叩いて笑う清水。


「なぁ、清水…?」


「なによ?」


「ちょっと来いっ!」


僕は真剣な顔をして廊下に清水を連れ出した。

清水はポカンとして僕のことを見ていた。


「清水…君は瞬から何にも聞いてないのか?」


「何の事かしら?」


清水は少し笑ったかと思うと

すぐに僕の顔を見て悲しい顔をした。


「なんだ…。聞いてるんじゃん。」


「私…諦めないから…。」


僕は清水のその言葉を聞いて少しホッとした。

何だ。清水のやつ、全然こりてないじゃん。


まっ、もちろん、


「僕もそのつもりだけどね…。」


僕は泣きだしそうな清水の頭を軽く撫でた。


「泣きたいなら泣けば?どうせ君はかっこいいって騒がれてさ、泣ける場所も無いんだろ?」


僕のその言葉一つで清水は大粒の涙を流した。

そして、子供のように僕の胸を叩いてくる。


「頭を撫でていいのは瞬だけなのよっ……。」


僕はクスッと笑って清水の顔を隠すように

僕の腕に包み込んだ。


「知ってるよ…。」


「私っ……誰より…っ瞬が…好き…っ。」


「それも知ってる。」



悔しい…悲しい…辛い…。


その気持ちを同情せずに、

一番理解してあげられるのが僕だって事も…


「全部、知ってるよ…」