僕が思わず顔をあげるとそこには……


「どうしたの?大丈夫?」


「あっ…心愛////」


心愛は優しく笑って状況を読んだのか、


「よし!!あたしも保健室付いていくよ…!」


と女の子に手を差し出した。

まさか…清水の奴、これを予想して、わざと…?


僕は壁に隠れる清水の方を見た。


「ちっ…。」


清水は舌打ちをして、壁をカンッと蹴っていた。

このツンツンgirlに限ってそれはなかったか…。


僕はそんな事を思いながら取り合えず女の子を

保健室まで連れていって心愛と戻ってきた。


そして、清水の席に行って、

僕は少しムスッとして清水に話しかけた。


「おい、ちゃんとしてくれよ?
結果的には上手くいったから良かったけど…」


「わ…分かってる…。」


「お前がちゃんと強力してくれて両想いになれたなら、「チーム」は解散だから我慢してくれ。」


「……………うん。」


清水は小さく頷いて下を向いた。



―――キーンコーンカーンコーン…


と鳴ったチャイムの音で僕は清水の席から

離れて、隣の自分の席に座った。


そして、先生は僕達が全員

揃ってることを確認すると、


「明日から夏休みだから
実家に帰る奴は気をつけるように!」


とみんなに呼びかけた。


夏休みかぁ…。


『アイツは簡単にお前に乗り換える奴か?』


突然、昴の言葉が頭の中に走った。

それは違うって分かってる。


でも、じゃあどうしろって言うんだよ!!