―――そして次の日の朝…
「えっと…」
僕は清水のノリノリな笑顔に負けて
パンを口にくわえさせられた。
「あの……これって……?」
「名付けて…」
また、何だよ…。
「朝、遅刻しそうだからパンくわえたまま学校に来たけど君と廊下の角でぶつかった作戦!」
「あっそ…。」
何か古すぎてあてになんね…。
僕はそんなことを思いながら、清水を見た。
すると……
「あ…!今日は都合よく心愛1人で来たわ!!」
と清水はニヤッと笑った。
なんだよ…今日の清水は……
「ほらっ!!もたもたしないの!今よっ!!」
清水が急に僕の背中を押した。
「わっ……!」
―――ドンッ!!
誰かとぶつかった…。
僕は思わず、口にくわえていたパンを落とした。
もしかして、ぶつかったのって心愛…?
「ごめん…。大丈夫?」
僕はそっと手を差し出した。
すると、ぶつかった彼女はパッと顔をあげて、
「息吹くんじゃん、なにこれ…運命じゃん!」
と笑った。
………………って、えっ?この子、誰!?
僕は思わず清水の方を睨み付けた。
「だって…あんた、誰にでもモテるじゃない!!」
わざとかよ…。何のための作戦だったんだ!?
でも、仕方ないか…。
僕がぶつかったわけだし……
「……えと。保健室行く?」
僕が彼女にそう言って
そっと手を差し伸べようとした時……
「あれ?息吹?」
と聞き覚えのある声がした!!


