清水がムスッとした顔をして

僕の方に近づいてきた。


「ちょっと待って!どうしたの、あんた?」

清水は少しだけ首をかしげて僕を見つめた。


「別に…。」


僕は清水から顔をそむけて、清水から

離れようとした……。


だけど、清水は僕の手を掴まえて、


「心愛はもういいのっ!」


と僕に向かって叫んだ。


僕はその時、何故かムキになっていて

素直になれなかった。


「気分だから。」


僕がそう言って清水の方を向いた途端、


―――ペチンッ…


と言う音が僕の耳に響きわたった。


左頬が痛い………あぁ…そっか。

清水が僕の頬を叩いたんだ……。


「あんた、心愛を追いかけるんじゃなかったの!!」


やめてくれ…


「あんた、心愛が好きなんでしょ!?」


やめてくれ……


「私との約束は…!?」



やめろーーーーーっ!!!


―――ダンッ!!


僕は机を思いっきり叩いた。

その瞬間、皆が僕の方を向いて驚いた顔をした。


「気分悪い。保健室行ってくる。」



逃げなくちゃ……こんな僕には嘘だらけの

言葉を吐き出すのはやっぱり無理だったんだ。



僕は走り出した。


「あっ…ちょっと!!」



清水が僕に手を伸ばした。


でも、昴の一言……


「ほっとこ。アイツ、昔からあーいう奴なんだ。」


それが聞こえて僕は又、機嫌を損ねた。