その晩、夏弥は私を大切に慈しむように抱いてくれた。
出会ってから間がないけれど、抱かれる度に夏弥の気持ちが私の頑なな心を溶かしていくような気がする。
『ずっと好きだったんだ』
熱が高まって、苦しげな表情と一緒にそう呟く夏弥。夕べが初めてではなくて、抱かれる度、いつもそう言っている。
まるで私をその腕に抱く事を、ずっと望んでいたような切羽詰まったつぶやき。
夏弥の下で喘ぐ私を満足げに見ながら、その言葉が自然と出てくるようで不思議に思う。
どうして、『ずっと』なんて言葉が出てくるのかわからない。
そんな言葉が出てしまうほどに私の事を知っているのかと、不思議でたまらない。
抱き合った後の余韻を楽しむように、お互いの体を絡ませながらじゃれているうちに眠気がやってきて。
気付けばシーツの波に潜り込んで、抱き合いながら眠りについた。

