金屏風って、お祝いごと全てに使われるものなんだろうか?
まるで今日の主役は社長ではないかと思っても仕方がないほど満ち足りた笑顔でマイクを持つと、社長自らが金屏風の前に立ち開会の言葉を述べた。
「今日こうして社長賞を祝う事ができて本当に嬉しい。プロジェクトに参加したメンバーの苦労は何年にもわたっていたことも知ってる。どれだけの人材や開発費を投入しても、成果をあげて欲しくて仕方がなかった。本当にありがとう」
最後の言葉は、まるで叫んでいるのではないかと思うくらいに大きな声で、広い会場いっぱいに響き渡った。
これまでも、社内の行事への参加には誰よりも積極的で、社員それぞれの苦労を自分も受け止めようとしてくれる熱い人だけど、今こうして涙を浮かべる姿は社長というよりも単なる社員の一人だ。
会場に集まった社員やその家族たちを見渡して、『ありがとう』と呟きながら小さく何度も頷いている。
「この開発、苦労したもんな」
「あ、……そうですね」
くすくす笑いながら私の隣に立ったのは、この前プロジェクトの打ち合わせが行われた時に悠介の事を『天敵』と言い放った先輩。
落ち着いた雰囲気で正確な仕事をする渋沢さんだ。
会社の受付嬢と結婚したばかりの新婚さん。
まるで今日の主役は社長ではないかと思っても仕方がないほど満ち足りた笑顔でマイクを持つと、社長自らが金屏風の前に立ち開会の言葉を述べた。
「今日こうして社長賞を祝う事ができて本当に嬉しい。プロジェクトに参加したメンバーの苦労は何年にもわたっていたことも知ってる。どれだけの人材や開発費を投入しても、成果をあげて欲しくて仕方がなかった。本当にありがとう」
最後の言葉は、まるで叫んでいるのではないかと思うくらいに大きな声で、広い会場いっぱいに響き渡った。
これまでも、社内の行事への参加には誰よりも積極的で、社員それぞれの苦労を自分も受け止めようとしてくれる熱い人だけど、今こうして涙を浮かべる姿は社長というよりも単なる社員の一人だ。
会場に集まった社員やその家族たちを見渡して、『ありがとう』と呟きながら小さく何度も頷いている。
「この開発、苦労したもんな」
「あ、……そうですね」
くすくす笑いながら私の隣に立ったのは、この前プロジェクトの打ち合わせが行われた時に悠介の事を『天敵』と言い放った先輩。
落ち着いた雰囲気で正確な仕事をする渋沢さんだ。
会社の受付嬢と結婚したばかりの新婚さん。

