週末の薬指

言い聞かせるようにそう言うと、シュンペーはほっとしたように小さく息を吐いた。

そんなに私がどう思うのか気になっていたのかな。特に仕事に支障が出るわけでもないし、いまどき結婚前に妊娠するなんて珍しくはないのに。

必要以上に私の事を気にかけているようで不思議に思う。

「じゃ、あとでゆっくり聞いてあげる」

シュンペーが照れくさそうに笑って顔を赤くした。


   *  *  *


「シュンペーとランチって久しぶりだね。あ、あとで弥生ちゃんも来るってさ。……手ごわいよ」

「え、弥生さんも……ですか?」

サラダを食べようとしていたシュンペーが固まった。

「ふふふ。久しぶりにシュンペーとランチするってメールしたら、何か勘づいたみたいよ。
『私もいじめたい』って返事が来たもん。……ま、いずればれるんだし。相談があるなら弥生ちゃんの方がいい答えを返してくれるんじゃない?」

「いい答えどころか、ばっさり切られてしまいそうで……」

「んー。そうかもね。覚悟しとかなきゃねー」

くすくすと笑うと、笑いごとじゃないです……と小さくため息。そんなシュンペーだけど、瞳は暖かく揺れていて、結局は彼女の妊娠を前向きに考えてるってわかる。

仕事にも真面目だし、社内での評判も上々。きっと将来は出世レースに巻き込まれるであろう超優良株。

このまま彼女と結婚となると、きっと社内の女の子達残念がるだろうな。

「で、いつ結婚するの?」

パスタを口に頬張りながら何気に聞いてみると、途端に口元を歪めたシュンペー。
あれ?何かおかしな事聞いたっけ?