きっかけはネットの掲示板だった。

僕みたいな人間が多く集まる場所で、そこで僕は一人の少女と会うことになった。

退屈しのぎがしたかったのだ。

夏休みに入り、出掛ける口実が作りやすかったことも手伝い、僕は遠出の準備を始めた。


彼女の住む街で落ち合うことになり、僕は時刻表を散々確認しながら電車を乗り継いだ。

電車を乗り換えるたびに風景からビルが少しずつ消え、民家の数が減り、やがて緑ばかりが窓の外に見えるようになっていった。


文庫本を二冊ほど読み終えたところで辿り着いた無人駅で、その少女は出迎えてくれた。