「一週間もどこへ行ってたのよ!」


駆けつけた母の言葉に、思わず一週間? と僕は戸惑う。

あれからそんなに意識を失っていたのか。

母の言葉を聞き流しながら、カレンダーの日付を確認する。


森の入り口に僕が倒れているという通報があったらしい。

林檎の皮を剥きながら母が説明してくれる。

救急隊が現場に赴いたところ、泥まみれの僕が倒れていたが、通報したと思われる人は既にいなくなった後だったとのことだ。

間違いなくあの少女だろう。