目覚めると、見知らぬ天井が目の前に広がっていた。

少し視界がぼんやりする。

目をこすってみて、腕が自由に動かせることに気がついた。

僕は清潔なベッドの上にいた。

妙に固い、寝心地の悪いベッドの上で、僕はゆっくりと上体を起こす。

どうするべきなのだろうと逡巡していると、何者かが部屋の扉を開けた。

まるで看護士のような格好をしたその人は、しかし僕の姿を確認すると、すぐにばたばたとどこかへ走り去ってしまう。

数分ほどして、今度は白衣を着た人間が現れた。

多分、医者だ。

つまり、ここは病院のようだ。


病院?


僕は教室にいて、森にいて、それで。


ああ、そうか。



どうやら、助かったらしい。