簡単に見つけられ抜き取られた携帯。 『か、返してください!』 そう声を張り上げたけど、『あ?』のひと言で撃沈。 私、弱すぎだよ。 『“麻衣”ってコイツの友達じゃない?』 『そいつも呼ぼうよ』 『いいねぇ』 なんの躊躇もなく私の携帯の通話ボタンを押した。 麻衣まで危ない目にあってしまう。 それだけは避けたい。 私は近くにあったポールを、女の人めがけて、蹴飛ばした。 ガシャーン――――