マンションに着いたとき、外は大雨だった。 耳に聞こえるのは、ザーッという雨の音。 目に焼き付いて離れないのは、先輩の傷ついた顔。 「はぁっ・・・はぁっ・・・。」 自動ドアの横にある、ロック解除の盤に手を置きながら画面に反射する自分の顔を見る。 下唇はずっと噛んでたから、腫れてる。 「・・・もう・・・最悪だっ・・・。」 「シホっ!」