「え・・・?」 「抱きしめ・・・ないでください。あたしは、大丈夫ですから。」 抱きしめられると、泣いちゃうから。 行かないでって、言っちゃうから。 「じゃあさ・・・・。」 「え・・・。」 一度は払いのけたのに、気づけば先輩の腕の中。 「俺が寒いから、抱きしめさせて?」 「・・・・・やっぱり、先輩はずるいです・・・・。」 冬の卒業式、先輩は笑顔であたしの前から去って行った。 あたしは、ちゃんと笑顔で送り出した。