いや、意味くらいわかるのだが、それが私に向けられている言葉ということが不明なのだ。 首をかしげていたら、その少年も私と同じように首をかしげ「あれ?」と言った。 「あなたを探していたんです。僕を覚えていませんか?」 にっこりと微笑む少年の笑顔は悠斗のものとは全然違っていた。 悠斗の笑顔を例えるなら暖かい太陽のようなもの。 みんなを優しい気持ちにさせてくれる。 少年の笑顔は冷たかった。 笑っているのに笑っていないように見えた。 まるで真っ暗な夜道に光る、月のようだった。